ちはー。本日は、日本人の作品紹介です!!昨年末発売の「
Muro / Tokyo Tribe 2」、「
D.L / The Album ~Admonitions~」の2枚に代表されるように、最近T,A,Kの心を鷲掴みにする作品が出続けている日本語ラップシーン!!その流れの極めつけ、トドメの作品が「DABO PRESENTS B.M.W. vol.1」です!!!!!
この作品は、DABO自身が共演したいArtistに片っ端から声を掛け、完成させた、100%feat物のコラボレートアルバムです!!収録曲18曲、参加Artist32名と、まさにお祭り騒ぎの1枚です!!DABO氏の目的はつまり「パイの拡大」!!DABOに興味の無いリスナーでも、ZEEBRAには興味があるかもしれないし、TWIGIは好きかも知れない。このアルバムで、DABOがZEEBRA、TWIGIと共演することにより、DABOに興味のないリスナーが、ZEEBRA、TWIGIが参加してるってことで、DABOのアルバムを買うかもしれない!!アルバムを聴いたら、「あ、DABO良いかも~」ってリスナーが出てくるかもしれない。これが「パイの拡大」。ま、DABOは商売上手=頭が切れるってことですね!!前にも言ったけど、一枚のアルバムに様々なArtistが参加できるのってHipHopの特権だと思う。その利点を最大限に活用したのが本作「DABO PRESENTS B.M.W. vol.1」なのです!!以下、参加Artistに対するDABO氏の解説を記します。(BLAST03月号参照。)
1.「
DABO feat SIMON / My World」
SIMON
[Dj マムシという男がいてさ、そいつがたまにミックスCD用に俺のシャウトをもらいにくるんだ。それでマムシのCD聴いてたら、いつもサイモンがフリースタイルとかで入っててさ、トッポいフロウでカッコいいなあって思ってて、「コレ誰?カッコいいじゃん」てマムシに聞いて、それで実際に会ってみたらもう、鬼みたいにいいヤツで。彼はマイク持ちとして陽性の「華」を持ってるし、ハヂメのダブル・ハードで働いてるし、何の問題もなく繋がれたね]
2.「
DABO feat BIG-O,KAYZABRO / 2Funky C.E.O.(前人未到)」
BIG-O
[オースミ君は言わずもがな。「さんピン」の大きな渦の中の一人だし、今、一番オイシイ男を捕まえたね。昔、「竜宮」(原宿に存在したシャカゾンビ・プロデュースの居酒屋)を開店した時もビックリしたんだけど、「会社?居酒屋?ええっ?」って感じ。シャカゾンビはいい意味でビジネス・センスを持ってて、大人のB・ボーイだね。若い子のハスリングも全然否定しないけど、彼らは実にまっとうに黒くない金を稼いでてさ。昼はサラリーマンで夜はB・ボーイって人もいると思うけど、昼間っからB・ボーイの服装で何千万って凄い額のディールをするわけじゃない?そうやってヒップホップで生計を立ててるってのはカッコいいよね]
KAYZABRO
[ケイザブロウさんもオースミ君同様、シノギの規模がデカイよね。外人から見ても「おい、なんだあのジャパニーズは?」って話題になるくらい。ラッパーとして勝ち上がるのも美学なんだけど、ヒップホップを基礎として、ジュエリーで事業を興して結果を出して、それもドープなB・ボーイだと思うね。今、みんなが気軽に金ジャラできるのもケイザブロウ君のおかげだしさ。ローライダーたちにもシャウトを送りたかったからね]
3.「
晋平太 / 自由帳」
晋平太
[ペータはね、ブザビにハーレムで紹介されたのかな?名前は知ってたから即友達になった。チャンスに飢えた若いフリースタイル・キングって感じでサイモンとはまた対局の今時の若手ヘッズの王道だね。なかなかいい声持ってるし、荒削りながらも期待できる若い人材の一人であることは間違いないね]
4.「
DABO feat ZEEBRA / World is Yours」
ZEEBRA
[ジブさんは今回の企画で絶対にやってもらわなきゃいけない1人だったんだよね。キングだから呼ばないワケにはいかないよ。キングの客ももらわないといけないし、俺の客も持って帰ってもらわないと。彼の動向はシーンにも大きく影響するよね。経験があるO.Gチームとして同じことを考えることもあるから、テーマ的にもモロに若い子に向けた曲にしたしね。今日もこのステージは俺とジブラのものだけど、俺らがマイク置いたら明日は誰がマイク握るの?って曲。トピック的にもジブさんぐらいしか言えないからさ、バッチリだったよ]
5.「
DABO feat B.D.,BES,KGE / Over The 修羅場」
B.D.
[B.D.はなかなかない声してて、トラ(ゴア・テックス)系なんだけど他に聴いた事ない、モロ褒め言葉だけど凄い変な声だよね。あんな声普通出ないよ、喉の周りに何か挟まってるみたいなさ。リリックもドープなんだけど、声がとにかく好きだね。あいつは16歳くらいから周りをちょろちょろしてたから知ってて、長い事アンダーグラウンドで燻ってんなよ、とかハッパかけてたんだけど、何年か経ったらちゃんとカッコ良くなってたね。ソロも作るって聞いたから「顔売っとけよ」って感じで、直の後輩だから、まさしくフックアップだね。]
BES
[BLAST編集長の洗脳によりスカーズのアルバム聴いて喰らって、でもベスに関しては"評決のとき"が滅茶苦茶カッコ良くて衝撃受けたね。ベスはね、フロウの流行に今、一番オイシイんだよ。スタッカート、引っかかりフロウなワケよ。今、日本人が一番聴きたくて聴けないフロウ。まず、俺の見解によると、DMXが鬼スタッカートで、引っかかりのラップ。後継者がサンタナ、鬼のような後ろノリスタッカートだよね。で、ジュエルズ・サンタナよりテンポのあるのも聴きたいよね、って思ってたらパプースが出てきて滅茶苦茶ラップ上手いし新しくて。とかしてたら日本でベスがいて、こんなドープなヤツが日本にいたんだって思ったね]
KGE
[こいつは昔から知ってて、地元も一緒で駅も一緒だし、今軽く話題になってて嬉しいし、くすぐったいよね、モロに後輩だから。昔から声もデカイし、ラップすんげえ上手いのね。KGEの魅力は「どヘッズ感」だね。ちゃんと俺らの世代の「さんピン」的な日本語ラップなノリを持ってて、受け継ぎながらも新しくて、破壊力もあるラップ。まあ、今話題になってんだからいっちゃえよって感じだね]
6.「
DABO feat DELI,MUMMY-D / 君の名は・・・(だってしょうがないじゃない)」
DELI
[曲が決まる前から参加してもらう事は決まってた。で、シリアスな曲とウンコチンチンみたいのどっちがいい?って聞いたらウンコチンチンがいいと言うので今回はそっち系のデリだね。この男はやる男ですよ。肝の据わり方が普通じゃないし、知るほどホント底が知れない。公私ともにリスペクタブルだね。俺が悩んだ時はマッカとデリにまず相談する感じ]
MUMMY-D
[やっぱり俺のアイドルだからさ、この曲では最初にデリが決まってたんだけど、後一人誰だ?ってなった時に、まず間違いないでしょって事で坂間氏に声をかけたね。この手の曲でDはまず間違いないでしょ!ミスター・ドランク・モードでやっていただきまして光栄至極に存じますですハイ。日本屈指のメチャクチャ器用でドープなMCだと思います]
7.「
DABO feat KASHI DA HANDSOME,MACKA-CHIN / Dirty 30's」
KASHI DA HANDSOME
[カシ君は日本一のアンサインド・ハイプだからね。そろそろやっと本当にソロ・アルバム出そうだし、シーンはずっと待ってるよね。カシ君は同い年チームで家もウチの事務所から近いし、朝の3時に電話して「ハーレム行こうよ」とか言ったらサンダルで出てくるみたいなさ。特殊なラッパーだよ、リリック滅茶苦茶面白いよ!カシ君とやらないわけにはいかないよ]
MACKA-CHIN
[マッカとの曲はテーマも「ダーティ30's」で20代より30代の方が悩みがデカイからブチ上がる時も凄いからさ、一番狂ってるのは30代だと思うんだよ。上と下に挟まれてもがく我ら、というところを描きたかったワケ。俺らの悩みはデカイぜ。若ぇヤツにはわかんねーよってさ。俺とマッカとデリはニトロの中でも年長組だしね、背中で見せたいことがいろいろあるよ]
8.「
DABO feat PUSHIM / Juicy(Life/Live Pt.2)」
PUSHIM
[やっぱり姫なのでね。いい曲作りたいと思ったら当たり前のように呼ばないと。ノー・リーズン・コカコーラって感じ、言葉はいらないよね、彼女の歌は。ひょっとしたらこの人の歌で戦争が止まるかもしれない、とか思わせる稀有な存在。表現者として全ジャンルの邦楽アーティストと比べても別格。ありきたりのテーマでこのひとを参加させるなんてあり得ないでしょ、深い曲が出来ました]
9.「
RYUZO / 自由帳」
RYUZO
[御存知西の大物。当たり前のように参加してもらったね。R・レイテッドの総裁としてアナーキーを世に送り出したり、自身もシングルを発表したりと、去年はとても目まぐるしかったんじゃないかな。そんな中ビシッと決めてくれたね、感謝感謝!リューゾとO.K.Iの起用はある意味俺からシーンへのメッセージでもある。O.G.にリスペクトを]
10.「
DABO feat Anarchy / FIRE!!!!(阿鼻叫喚)」
Anarchy
[ケンタはスターになる子。うーん、底が知れないな。どこまでも伸びる可能性を感じる。録るたびに上手くなってくしコツを憶えてく。アルバムでは既に貫禄すら漂ってたもんね。で、彼は言いたいことや言える資格がたくさんある。経験が違うよ、それに尽きる。男前だし表現力あるから役者とかもできるんじゃん?でもその前にラップ・スターになるべ]
11.「
DABO feat TARO SOUL,EQUAL,竹内朋康 / Shall We Rock?」
TARO SOUL
[タロウは確か横浜で、俺の前座でラップしてた時にドラムン・ベースでラップしててさ。スゲェ早口で、あまりにも上手過ぎてノレないから、逆に客が引いてたのね。そこで、「君、ラップ上手いよね」って話しかけて、その後随分と経ってから"Tokyo Shit"を経て、今回はするっと参加しちゃったね。彼はどんな風にも転びそうな感じ。ポップでもアンダーでもどうにでも料理できるから、そこが面白いよね]
EQUAL
[元々はタイキさんにもらったトラックだったんだけど、イコールも同じトラックを欲しがってたみたいで、けど俺の方が先に決まってたから、タイキさんに「俺の方でイコールに歌ってもらいます」って言って、それで決まったんだよね。彼は現在のトーカイテイオーだから絶対やらなければいけなかった。一筋縄じゃいかない知り合い方をしてる分、思い入れも強いMCなんだ。彼は男だよ]
竹内朋康
[元々ギターのソロがほしくて呼んだんだけど、結局ギター・リフまで全部入れてくれちゃって、思いついてから実現まで全部で一週間くらいで仕上げてくれてビックリしたね。尊敬してますよ。カッコいいです、タケちゃんは。いやらしくなく他ジャンルとクロスオーバーした曲がやりたかったってのもあり、我ながら最高のキャスティングだと思うねー]
12.「
DABO feat KREVA / TA-KA-YO-U-JI(侍バウンス)」
KREVA
[マジでやってくれんの?イエー感謝って感じだね。彼がこのメンツに食い込むこと意味と意義がある。俺の彼への評価は非常に高い。彼はこのシーンでは稀な偉業を達成したわけ。ドラムとベースとヴォーカルとかすかなウワモノだけで構成された音楽でオリコン1位を取ったと。天才肌のアイディアマンで頭の回転が鬼みたいに早くって録りも恐ろしく早い。金の使い方も頭がいい。うーん。ゼツいよ]
13.「
DABO feat COMA-CHI / こっちきてみな~ Flow on ~」
COMA-CHI
[コマっちゃんは「Coma-Chillin'」を誰かに貰って聴いたら喰らっちゃってさ。俺はBLAST読んでるから前から名前は知ってたんだけど、ラップ聴いたら滅茶苦茶できてるしさ。「Day Before Blue」の"ミチバタ"も俺の中で大ヒットだったし、絶対何かやらせようと思ってさ。彼女はラップも歌もできるけど、思いっきり可愛いラブ・ソングみたいなのはイメージないなーと思って頼んでみたんだけど、いい仕事してくれたよね。流石]
14.「
MURO / 自由帳」
MURO
[キ-----------ング!高校生の時はファイヤー通りでムロ君と話すだけのために渋谷に出かけていってたようなもんだ。ディグの精神やヴァイナル文化、というよりヒップホップを通して音楽ってもんを教えてもらった。渋谷で、下北で、川崎で、六本木で、ムロ君をいつも見てたんだ。完全にアイドルだったね。俺にとっては東京出身者じゃないのに東京を感じるアーティストNo.1。つまり彼が東京そのものなんだよ]
15.「
DABO feat JAY'ED,TWIGY / 反則(I'm So Kool)」
JAY'ED
[ちょっと前に知り合ったんだけど、凄くスムーズで新しいよね。大阪でイベントが一緒になってステージを拝見したんだけど、見た目もクールだし歌声はスイートだし、しかも知り合ったら中身も優しい男だったね。まだ光る原石なところ、つまり可能性が未知なところに惹かれた。ここからどこまでいくんだろ、楽しみだね]
TWIGY
[もうこれまでにも散々言ってるけど、俺にとってアイドルなんで、絶対にやりたかった。マミー・Dと同じで俺の目標だった人だからね。この人と曲をやるのは俺にとって瞑想に近い。いつでも彼の背中にものを教わってきた。若ぇヤツにわかんのかな。天才の孤独は深いんだよ。でも、だから彼はセクシーなんだと思う]
16.「
DABO feat GOCCI,PAPA B,SEEDA / Murder Weapon」
GOCCI
[ゴッちゃんとは絶対にやりたかったんだよね、「Ultimate MC Battle」水戸大会優勝の話も聞いただけで感動しちゃったしさ。頼んだ曲のテーマ的にも、1人はバトルに出てるようなMCを呼びたかったんだけど、ゴッちゃんは一緒にやるのも初めてだったし、ドンピシャだったね。ゴッちゃんのソロも楽しみだよね。俺もやるよ!]
PAPA B
[トラックを聴いた時からレゲエの人を入れようってのがなんとなくあって、シャインの"Bad Boyz"のヴァーリントン・リーバイみたいに振る舞わせよう、って感じでボン君に頼んだ。アドリブで後ろで歌ってて、最後はちょっと印象的に短いヴァースを歌うみたいなね。イメージ的に間違いないと思った。彼はホントにアーティストを感じる人だね、鬼才ですな]
SEEDA
[ヒリヒリしたようなMCを入れたくてDjマムシに繋げてもらったんだけど、実は大昔話かけられたことがあって俺は憶えてたんだよね。彼の評判が上がっていくのを見ながら俺は勝手に嬉しがって、その後スカーズでとことんハメラレタ。で、オファーして、再会したと。スゲェいいヴァースくれたし、ちゃんとオチもつけてくれた。いい曲に仕上がったよ、彼のヴァースがなければこの曲は成立しない]
17.「
DABO feat Dj HAZIME,Dj KEN-BO,Dj WATARAI / Don't Stop キボンヌ(Come Again)」
18.「
DABO feat Hunger,Mista O.K.I,Mr.OZ / Bright Lights, Big City」
Hunger
[ハンガーは天然っぽいけど骨太で流されない、強いMCだから信頼してる。自分たちのできる事でちゃんとキャリアを築いていったからリスペクトだね。最初は「なかなかやるじゃん」とか思ってたけど、最近はライブ見ても音源聴いても素直に「すげえな」て思っちゃうよね。感心するし、尊敬しちゃう。揺るぎないよ彼は]
Mista O.K.I
[O.K.Iと会うと男飲みになってしまう。バー・カウンターで2人でいると、誰も近付けない。そんな頻繁に連絡取るワケじゃないけど、人間味溢れるラップも人柄も大好きでさ。やっぱりワード・スウィンガーズって言ったらフューチャー・ショックだし、関西でも関東でもレジェンドじゃん。で、ナニワティックのアルバムでO.K.Iのラップ聴いて、「やっぱりオッサン面白いなあ、全然現役だわ」って改めて思ってさ。曲のテーマ的にも都内に出入りする地方の人って条件だったから、その点でもバッチリだったね。彼はブルース・マンだし、この曲だったらいいブルース聴かせてくれるんじゃないかな?って思ったね]
Mr.OZ
[小澤君はなにげに5~6年前くらい前から知ってるんだけど、彼は発生もリリックの内容も独特でさ、ああいうラップやる人っていないじゃん?めちゃオリジナルだよ!そしてカリフォルニアからテキサス、マイアミとかそのへんの文化を好きな人たちの「陽」の部分をケイザブロウ君だとすると、ダークサイドをコアに掘ってるのはこのへんの名古屋の人達だと思うんだ。フロストとかのリンクも凄いじゃん。独自の濃いローライダー・シーンを巻き込むためにも彼は呼びたかった。「ダボ君とやるなら地方の人間から見た東京の事を歌いたい」って言われて、企画としてもドープだと思ったね。彼は愛知で俺も千葉県民だしね]
こんな感じの全18曲、参加Artist32名の超豪華盤!!さすがDABOって思ったのは、この人選!!ZEEBRAやTWIGI,MUMMY-Dなどの大御所は勿論、TARO SOUL,COMA-CHIのダメレコ勢、BES,SEEDAのSCARS勢等、アングラ勢ともバッチリリンク!!はたまた、仙台からHunger、名古屋からEQUAL,Mr.OZ,水戸からGOCCI,大阪からMista O.K.I,京都からRyuzo,Anarchyと、パイの拡大に地方の力も有効利用!!恐るべしDABOのマーケットセンス!!でもちゃーんと後輩のKGE,B.Dのフックアップを忘れてないあたりが、彼がシーンの中心であり続ける理由でしょう。サスガです。今回がvol.1ってことで、これからもDABOのパイ拡大大作戦は進行中です。楽しみですな。ではー。
(写真は「DABO PRESENTS B.M.W. vol.1」のジャケ!!B.M.WはBabyMarioWorldの略。vol.2が楽しみっす♪)